元小学校教諭で、34年勤めました。通常学級担任、特別支援学級(難聴学級、情緒学級)担任、通級指導教室(言葉の教室,LD/ADHD通級指導教室)担当 等勤めました。学級通信で発信してきた情報をお知らせし、これから子育てにあたる保護者の方や小学校教員、幼稚園教員、保育士に読んでもらえたら幸いです。 3人の子供を育てました。 1966年2月23日生まれ

筋肉や関節の働きが固有受容覚

固有受容覚とは、ボディーイメージと捉えると分かりやすいです。

固有受容覚は、全身の筋肉・関節からの感覚情報に関わります。「物を持つとき、手がちょうどよく動く」のは、固有受容覚がうまく働いているからです。

体操で腕を伸ばそうとしたとき、固有受容覚がうまく働いていれば、ぴんと伸びます。

体操では、ぴんとできない子どもにくて指導者が触覚に働きかけ、伸ばしてあげると分かることがあります。しっかり手を伸ばしたり、斜めに上げたりすることがうまくできない子どもには、もっと上だとか、肘を伸ばすとか教えてあげたり、実際に伸ばしてあげるとできるようになります。

やり方が分からなくてできていない子どもに、叱ってもやる気をなくすだけです。教えてできたときに褒めるとやる気が出るようになります。

読み書きにも影響します。例えば、字を書く時や定規を使う時、手が思う通りに動かなければ、字は乱れ、線もうまく引けません。理解できていても、不正解となることがあります。

コミュニケーションにも影響します。友達と体を使って遊ぶ時、手足の動きの乱れが、けんかの原因になることもあります。

力の加減ができないと、おにごっこなどで押した強くたたいたなど、トラブルになります。本人の意識はなくても乱暴な子どもというレッテルをはられることにもなります。

筋肉や関節は一般に、運動器として認知されています。運動器としては、アウトプットです。動きの調節をするためには情報源として、感覚情報が必要です。その情報収集も筋肉や関節が担っています。情報を収集するインプットとしての働きもあり、感覚器でもあります。

※ 参考「読み書き遊びコミュニケーション遊び」木村順

固有受容覚を整えるために、公園の遊具遊びやボール遊びなど小さいうちに体を使った遊びをたくさんするとよいですね。また、自然の中には、でこぼこ道など感覚に刺激を与えるものがたくさんあります。外でたくさん体を動かせるといいですね。