心身の安定のために必要なことは、身体の土台(五感+二覚)をしっかりすることです。
心と体は密接な関係があります。
発達の凸凹がある子どもは、五感(聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚)と固有受容覚(ボディイメージ、体の動かし方)前庭覚(バランス感覚)の、鈍感だったり過敏だったりしているところを生きやすいように調整することが大切です。
感覚が他の人より鈍感だったり敏感であったりすることにより、社会性やコミュニケーションに困難なことが出てきます。社会生活では、人とのかかわりが重要ですので、心身を安定していることが大切になってきます。
心身の安定は、脳が作り出しています。脳の伝達神経がうまく伝わるようになると生きやすくなります。
固有受容覚とは、筋肉や関節の動きを詳細に感知する感覚です。この感覚が弱いと、力加減や動きが雑になり、落ち着かず、対人関係のトラブルの元になります。力加減ができないと、自分では少しと思っても相手を強くたたいていたり物を壊したりなどするからです。また、前庭覚(バランス感覚)が悪くても、人にぶつかることもあるし、姿勢よく立ったり座ったりすることに困難をきたします。
自分の関節、筋肉の動き、バランス感覚が鈍感だと、人のまねができなくて、人と同じ動きができず、学校生活が困難になります。
ですから、運動会のような集団活動、動きを合わせるダンスではひどく難しくなります。
足が速くても力が強くても、それを自分で調整できないとまずいことになります。体のアクセルとブレーキがきかないと、止まりたいところで止まれず、よく怪我をしたり人や物にぶつかったりこわしたりと、不都合なことが起こります。
ちょっとした段差でつまずいたり物や人にぶつかったりするのも固有受容覚(ボディイメージ)、前庭覚(バランス感覚)のどちらか、または両方が悪いからです。