味覚・嗅覚の違い
食べ物の好き嫌いは分かりやすく、ゆえに好き嫌いの多い人はわがままだと誤解されることがあります。味覚は人それぞれ違います。
もともと、動物は、本能的に酸っぱいものは腐っている、苦いものは毒があると感じ、用心するものです。ですから嗅覚が鋭かったり、味覚が敏感だったりするのです。
幼い子が特に酸っぱいもの苦いものが食べられないのは、身を守る術だと考えると、ピーマンなどの野菜やグレープフルーツなどの柑橘類、また薬が苦手なことも分かると思います。栄養価が分かり、味覚が大人になると、食べられるようになり、苦みや酸味を旨く感じるようになります。
味覚が敏感なお子さんにも、栄養価を教えていくことは必要ですね。給食でも各教室で奮闘しています。無理強いをすると、トラウマになり、逆に食べられなくなることもあります。
食欲 の 個人差
満腹感も個人差があります。食べ過ぎる子は我慢が足りないと考えるより、満腹中枢が鈍いと考えた方がより子どもに寄り添えるかもしれません。食べ過ぎると高血糖になり、ぼうっとなったり眠くなったり肥満にも繋がります。栄養過多になるのも教えていかなくてはなりません。
逆に、お腹が減る感覚が鈍い子もいます。お腹が空かないので、食べなさいと言われ、義務感で食べている子もいます。食べないでいると、血糖値が下がり、頭が働かなくなったり、いらいらしたりすることもあります。
これらは、内臓の育ちの違いや内分泌腺(ホルモン)の違いだと考えられます。
五感(触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚)の違いが、個々によって違うことをお伝えしてきました。五感の他に、固有受容覚(簡単にいうとボディイメージ)や前庭覚(簡単にいうとバランス感覚)という感覚があり、これも個人差が大きいものです。次回は、それらについてお伝えします。