人は、一人ひとりパーソナルスペースと呼ばれる一定の空間を持っています。「他者の存在により何らかの情緒的反応を引き起こすような身体をとりまく領域」と定義されています。
自分のパーソナルスペースの中に望ましくない他者が侵入すると、不快感や緊張が生じますが、親密な他者の侵入は、快感や喜びを生む場合もあります。対人関係を円滑に営むために、人はこの空間を上手に利用しているのです。
対人距離は、中年>老人>子どもの順に小さくなるとされています。このような年齢相応の対人距離については、多くの人は周囲の人の反応を見ながら自然に学んだり想像したりして学習していくと考えられています。「パーソナル・スペース」佐竹真次著
人との距離感は、多くの人は自然に学ぶものですが、固有受容覚(ボディイメージ)が弱いと分かりづらく、教えていく必要があります。人との距離感が近いのも困りますが、距離が近くて対人とのトラブルを経験した場合、不自然に大きな距離感をとることもあります。
また、視線を合わせる時間、声の大きさ、表情も、自然と身につく人と、教えていくことが必要な人がいます。小声で話せないと集団の中で困る行為となります。離れた相手を意識しないで話すと声が届かなくて聞こえません。
スキンシップは、固有受容覚を育てるのにとても大切なものです。スキンシップで愛情を感じ、人にも優しくできるものです。スキンシップをとりながら、人との距離間を教えていくとよいですね。