難聴児に、人工内耳や補聴器でことばを聞かせていくと、1年半で片言、2年で2語文、3年で少し実用になることばというように育ってきます。ちょうど聞こえる子どもの誕生から3年ぐらいの成長と同じような成長です。でも、それがうまくいく場合とそうでない場合があるようです。それはことば掛けや母子(父子)の共感関係、接し方などで違うようです。学校でのたくさんの人との接し方も大いに関係します。
私たちが、習得していないドイツ語やイタリア語など、話しかけられても分からない。それをまねて発音しても話したことにはならない。ことばが育つためには、身振りなどを通したコミュニケーションや心が非常に関係するのです。
※ 豊かな心とことばを育てるために
① 声が聞こえるとき、その子にとって何かいいことがあるようにする。
② テレビなどのメディアでことばを聞かせない。
③ 何か声を出したら必ず笑顔で応じる。
④ 補聴器や人工内耳を通した声がいつも同じに聞こえるように管理する。
⑤ 子どもの近くで話す。
①~③は、聞こえる子どもの乳幼児期も同じですね。小さいときに英語の音だけを聴かせてもバイリンガルな子どもにはなりません。さらに、日本語までも話せない子どもに育ってしまいます。肉声が必要なのです。夕焼けを見て「夕焼けがきれいねー」とことばで伝えることで、それが認識できるようになるのです。感動もことばで伝えましょう。