よくある話で、「聴くは、十四の心を耳に傾けること」とあります。
難聴児のYさんにとって、音は聞こえても、言葉として聞こえないことがあります。音として聞こえても、大脳の方でそれを弁別して考えるのが難しく、音に心を傾けることが大変なのです。聴こうとしているときには、他の子どもよりたくさん心(頭)を働かせないといけないのです。
先日、2年生で学校周辺の町探検に行きました。行く前に「Yさんの班の班長さんはだれですか?」と確認のつもりで聞いたのですが、「おまわりさん」と間違えてしまいました。そんなはっとするようなことがたくさんあります。
学校生活の中で誰もが普通に聞いている言葉でも、他の子どもより聞こえていても言葉として聞いておらず、分からないで過ごしていることが多いのです。だから、このくらいわかっているだろうと思って話すことや、よく聞いているみたいだから分かっているだろうと思うことは、大きな落とし穴があります。分かりにくいことを分かってほしいです。