Yさんは4歳で右耳に人工内耳の手術を受けました。
人工内耳は、手術を受けると元々聞こえていた部分がなくなります。だから、取り付けている機械を外すと、何も聞こえなくなります。機械をつけると聞こえ方が変わり、生まれつき難聴の子どもが、言葉を獲得できるようになりました。左はそのままの聞こえを残るように、音を大きくする補聴器をつけています。聞こえの割合は、人工内耳:補聴器=9:1です。
しかし、人工内耳は器械ですので、通常の人の耳と同じように聞こえません。普通は聞きたい音を大脳の方で選んで聞いています。しかし、人工内耳や補聴器は、全部の音がそのままですので、足音やいすの音など雑音を全部同じように入ります。人の音も全て機械音です。大勢の中で特定した人の声を聴き分けるのは随分と疲れるようです。騒がしい中で電話の音を聞き取ることも難しいです。だから、難聴さんには、静かに、一人ずつ話しかけてほしいです。
Yさんが入学して2か月 (6/8)分からないとき『わかりません』と言うことを教えました。そうすると、今まで分からずに困っていたのが、「『分かりません』と言えると便利になったね。」と話しました。でも、ホントは、困って笑っていいるかわいい顔が見られなくなって少し寂しいです…。
体育では、転んで傷ついても泣かないで、走り続けるYさんですが、算数の学習で分からないと涙が出てしまいました。「かなしいね。」「くやしいね。」と言いながら涙を拭かせました。頑張り屋で感情の言葉も覚えます。