触覚の鈍感・敏感

感覚の違いは,生まれ持ってのもので,子育ての仕方とは全く関係ないことです。

体育の身だしなみ・触覚の鈍感・敏感№1

体育の身だしなみと言えばまず、体操シャツを体操ズボンに入れることです。触覚が鈍感で背中の感覚が鈍いと、体操服がズボンの中に入っているかどうかが分かりにくいです。固有覚(ボディイメージ)が鈍いと背中の方までシャツを入れることができず、前の方だけ入れることになってしまいます。背中が風に当たって、すうすうしそうですが触覚が鈍いと気付きにくいのです。靴(シューズ)は、かかとを踏んだり、または、ぬいでしまったりすることもあります。

赤白帽のゴムを首に付けたがらない子は触覚過敏があります。首という場所は命に関わる大事なところなので、過敏になる子が多いのだと思います。そしてゴムを伸ばしたり噛んだりという光景はよく見られます。(鈍感と敏感は同居します)

また、感覚と関係するのがメタ認知というものです。

メタ認知

 自分がどのように見られているか,自分を客観的に見られるかということです。

メタ認知が育っていない子に「みんなが見ているよ」は通じない声かけです。

身だしなみが悪いと態度が悪いように見られがちですが、感覚の違いがあることに気付いて、叱らずに、教えてあげるようにするとよいですね。

背中の触覚と固有覚に刺激を入れるため、マッサージが効果があります。背中をさすったり、文字を指で書いてその文字を当てたりするゲームです。触覚に刺激を入れることの他、背中に集中し、短期記憶が育つようになると考えられています。

※ 記憶には,短期記憶と長期記憶があり,どちらも大切な記憶力です。

「ぎゅうっと」触覚の鈍感・敏感№2

触覚に鈍さについてお知らせしましたが、逆に過敏だとどうかというと、以下のような傾向があるようです。まず、生まれてすぐから母親に抱かれることを嫌がり、抱こうとすると母親が嫌なことをする人間となり、一番初めの大事なコミュニケーションがとれません。子育ても大変になることもあります。しかしながら、触覚が敏感だと敵から身を守るのに役に立ちます。暗闇で、急に背後から肩をたたかれたら驚くでしょう。大事な感覚です。でも、普通の生活では不便なことがたくさんあります。自分に寄ってくる人がこわいのですから、本能的に肩をたたかれたらたたき返す、または逃げる、人混みがこわいなど、様々です。

赤ちゃんの話に戻しますと、赤ちゃんはだっこされて安心感を得られて、コミュニケーションを身に付けていきます。スキンシップは安心感を生む大切なコミュニケーションツールです。子どもからだっこなど求められたらたくさんしてあげたいものです。「抱き癖」がつくことがコミュニケーションの第一歩です。子どもによって必要量は違って当たり前ですので、何年生であろうともぎゅうっと抱きしめてほしいです。その子どもにとって足りないと、愛着障害(後天的な障害)となり、人との距離感や人の気持ちがわからない、または、気を引くためにうそをつくなど、問題行動を引き起こすことになります。

生まれつき、触覚が過敏な子どもにも、皮膚の刺激を無理のないくらいに取り込むことが必要です。自閉症スペクトラム障害があると考えられます。触覚が過敏な分、接触が苦手なので、人から遠ざかろうとします。

大人の中でも、近づきがたい人は、触覚が過敏なのかもしれません。

 

紹介 ぷくぷく

元小学校教諭で、34年勤めました。通常学級担任、特別支援学級(難聴学級、情緒学級)担任、通級指導教室(言葉の教室,LD/ADHD通級指導教室)担当 等勤めました。学級通信で発信してきた情報をお知らせし、これから子育てにあたる保護者の方や小学校教員、幼稚園教員、保育士に読んでもらえたら幸いです。 3人の子供を育てました。 1966年2月23日生まれ

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