子どもの個性
子どもは一人一人感じ方が違うのはご存じと思います。その感じ方の違いがその子の「特性」であり、「個性」となっていくものと思います。ですので、我が子を他のお子さんと同じ方法で、学力、体力、精神力を身につけさせようとしてもうまくいかないこともあります。そんな時、つい「どうしてうちに子は」と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、個性が違うので当然のことなのです。とはいっても、苦手なことをできるようにし、得意なことは伸ばしていきたいと考えるのは親の願いです。
そこで、その感じ方の違いについて触れてみたいと思います。
感じ方には、五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、臭覚)と、固有受容覚(ボディイメージ、体の動かし方)、前庭覚(バランス感覚)内臓の育ちなどがあります。
今回は、触覚について違いを考えます。
触覚も生まれたときから個人差があります。赤ちゃんをだっこすることはコミュニケーションを育てるはじめの一歩です。しかし、中には、触覚過敏で、お母さんからだっこをされるのを嫌がる子がいます。そのような子は、目を合わせることも苦手で、相手の心を読み取ることが難しい傾向にあるようです。これは後々のコミュニケーションに影響するといわれています。
例えば、後ろから、肩をたたかれただけで、敵だと本能的に感じ、その手をたたき落としたり、人が近づくと不安感が生じ、攻撃的になったりする子がいます。そのような傾向の子は、相手や周りはちょっとのことと思うことでも「蹴られた」「たたかれた」と訴えがちです。そのようなとき、誤解だったり、または触覚に刺激を入れたい子どもの近すぎる距離感だったりすることもあるので、担任の先生はなるべく詳しくその状況を聞き出し、説明を加え解決してほしいと思います。
また、触覚の一つである痛みの感じ方も違うので、そのくらい大丈夫と周りは思っていても本人にとってはがまんできないことがあります。そんなときは、その痛みに共感してあげることで心も育っていくと思います。但し、痛いと言うからさせないでいると、運動能力は伸びていきません。共感しながらも励ましていくことが必要です。ちなみに、触覚過敏(鈍感)は、シューズをきちんと履かなかったり、赤白帽子のゴムを嫌がったり、シャツをきちんと入れられなかったりする身だしなみに表れることがあります。過敏だったり鈍感だったりしているところを受け入れ、生活しやすいように調整して、徐々に本人にも自分がその傾向にあるということに気づかせることも大切です。
~追記~ 子どものこととして書きましたが、大人だって感じ方は人それぞれ。子ども大人関わらず、自分は普通の感じ方と思いがちですが、もしかするとその感じ方は、周りとそぐわないことがあるかもしれません。これに書いてあることも話の一つと思ってくださいね。