バリアフリーとユニバーサルデザイン

難聴のYさんにとって、学校の放送は聞き取りにくく、バリアの1つとなっています。そこで、お昼の放送の時には、Yさんに直接通じる(機械音を1つ減らせる)FMマイクを放送室のマイクに合わせて設置するようにしました。放送室初設置の日、2年生のF君が[Yちゃん聞こえる?」と心配してくれました。給食時間はいろいろなおしゃべりが飛び交うので、みんなの話も聞き取りにくいのですが、その時も何を言われているのか分からず、その子に対して「早く食べる!」と注意しているのです。注意されたF君も根気よく聞き返して気遣ってくれました。

放送室の上級生はYさんに聞こえるようにとマイクに近づいて話してくれます。場所が離れていることもあり、うまく受信できないこともありますが、放送している子どもが、はっきり発音できれば、他の子どもにとっても分かりやすいことになります。周りが静かに放送を聞いてくれると、Yさんに限らずみんなが放送を聞きやすくなります。学校でのユニバーサルデザインです。

バリアフリーとは、障碍者や高齢者が、生活を営む上で支障がないように作られたもので、ユニバーサルデザインとは、障害の有無に関わらず、使いやすいものです。例えば、車いす用に作られたスロープは、ベビーカーや自転車などでも便利になります。バリアフリーのものが一般の人にとって使いづらいものであるなら、それは、障碍者の人たちにとっても居心地悪いものになりかねません。しかしながら、まずは心のバリアフリーが必要なのかもしれませんね。

紹介 ぷくぷく

元小学校教諭で、34年勤めました。通常学級担任、特別支援学級(難聴学級、情緒学級)担任、通級指導教室(言葉の教室,LD/ADHD通級指導教室)担当 等勤めました。学級通信で発信してきた情報をお知らせし、これから子育てにあたる保護者の方や小学校教員、幼稚園教員、保育士に読んでもらえたら幸いです。 3人の子供を育てました。 1966年2月23日生まれ

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