給食時間の終わりごろ、難聴のYさんが大きな声でT君に何か言っています。何か言いたいことは分かるので、T君は、Yちゃんの口に耳を近づけて聞き取ろうとしています。大きな声なのでそれは必要ないことなのですが、それでもよく聞き取れず、隣にいたH君に[Yちゃんが何かいってる」と助けを求めて、二人で何度も聞き返してようやく分かったようでした。子どもって偉いなあと感心しました。私なら、「おしゃべりは後でいいから早く食べてしまってね。」と言いたかったからです。その時なんと言っていたかというと、他の子のおしゃべりの中で飼育当番のことを耳にしたYさんが、大好きな6年生のM君が飼育小屋に来ることを教えていたのでした。Yさんにとって、『耳で聴きとれたこと、それを聞いて考えたことを話すことができた』というとてもいい学習でした。ちなみにYさんは、それからすぐに給食を済ませることができました。お友達が、自分が言ったことを真剣に聞いてくれて満族の給食だったことでしょう。
自慢話・箸の持ち方
Yさんは、練習を重ねて箸を正しく上手に使うことができるようになりました。だから、鉛筆やクーピーで何度でもやって見せてくれます。とてもうれしいのですね。大人がほめてくれて自信を持つことができました。Yさんは、目で見てわかることは飲み込みが早いのですが、それだけではないのです。理解できることには努力を惜しまないからだと思います。